弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件控訴はいずれもこれを棄却する。
         理    由
 本件控訴の趣意は検察官作成提出にかかる控訴趣意書記載のとおりであり、これ
に対する答弁は被告人等の弁護人出射義夫、中川久義、伊藤貞利共同作成名義の答
弁書記載のとおりであるから、これらをここに引用して次のとおり判断する。
 所論は要するに、公職選挙法第一三六条の二第一項、第二三九条の二第二項(公
務員等の地位利用による選挙運動の禁止)の適用ある事案については、同法第一二
九条、第二三九条第一号(いわゆる事前運動禁止)の適用はないとする原審の判断
は、法律の解釈を誤つたものであり、かつ右誤りは判決に影響を及ぼすことが明ら
<要旨>かであるというにあるので審案するに、公職選挙法第一二九条の規定は、常
時選挙運動を行うことに伴う弊害を防止し、選挙の公正を期するため、選挙
運動の時期を制限したものであるから、同条にいわゆる選挙運動を解して、選挙運
動期間中は適法に為すことのできる選挙運動行為のみに限るいわれはなく、それ自
体違法な選挙運動(例えば買収罪、戸別訪問罪の如き)をも含むと解するのが相当
であるところ、同法第一三六条の二第一項の規定は、一定の地位に在る公務員等の
地位利用による選挙運動を禁止し、もつて選挙の公正を保持しようとするものであ
つて、この規定に該当する行為は違法な行為ではあるが選挙運動であることは云う
までもないのであるから、被告人等の所為は右各法条に該当し、結局一個の行為で
あつて数個の罪名に触れる場合に該たるものと解すべきである。然るにこの両者を
いわゆる法条競合と解し、同法第一三六条の適用ある場合には、同法第一二九条の
適用の余地はないとした原判決は法律の解釈を誤つたものといわなければならな
い。この理は右公務員等の地位利用選挙運動禁止規定がいわゆる事前運動の特別加
重規定から、昭和三七年五月の法改正により、事前運動と否とを問わない一般禁止
規定になつたという立法の経過によつても少しも変らない。よつてこの点における
検察官の論旨は理由がある。
 然しながら右の如く、被告人の行為は一面において事前運動禁止の規定に、他面
において公務員等の地位利用選挙運動禁止の規定にそれぞれ該当するが、右は一個
の行為であつて二個の罪名に触れる場合であるから、刑法第五四条前段第一〇条に
より、結局原審と同じく、重い公職選挙法第一三六条の二第一項、第二三九条の二
第二項、罰金等臨時措置法第二条により処罰することになるのであつて、しかも原
審は右第一三六条の二中には当然第一二九条の罪も含まれるものとして、右第一三
六条の二第一項、第二三九条の二第二項所定刑の範囲内で被告人等を処罰している
のであるから、右法律の解釈の誤りは判決に影響を及ぼさないものと解せられるの
で、この点の論旨は理由がない。
 結局本件控訴は理由がないから、刑事訴訟法第三九六条によつてこれを棄却する
こととし、主文のとおり判決する。
 (裁判長判事 石井文治 判事 山田鷹之助 判事 渡辺達夫)

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛