弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件各上告を棄却する。
         理    由
 弁護人石原武夫上告趣意第一点について。
 記録を調べてみると、原審において被告人両名外一名の弁護人久保寺誠夫は、昭
和二四年一月一二日原審裁判長より同年一月二五日の公判期日に出頭すべき旨の召
喚状の送達を受けながら、右公判期日に出頭しなかつたので、原審裁判所は、弁護
人の立会なしに公判を開廷して審理をしたことは所論のとおりである。これに対し
論旨は、原審裁判所は旧刑訴三三四条を墨守して弁護人の期日懈怠の責任を被告人
等に負わしめ、弁護人の立会なくして公判の審理を受けることを被告人等に強制し
たものであるが、旧刑訴三三四条は憲法三七条三項、刑訴応急措置法四条によつて
改正変更されたものと解すべきであるから、原審の審理手続は、右憲法及び刑訴応
急措置法の規定に違反するというのである。しかし、憲法三七条三項前段は刑事被
告人に対しいかなる場合にも被告人自ら資格を有する弁護人を依頼し得ることを保
障したものであり、また同項後段及び刑訴応急措置法四条は、被告人において自ら
弁護人を依頼することができないときに国に対し弁護人を選任することを請求する
権利があることを認めたものであつて、刑事事件についてはいかなる事件であつて
も例外なしに弁護人がなければ公判を開廷することができないことを規定したもの
ではない。従つて、これらの規定により旧刑訴三三四条は所論のように改正変更さ
れたものではないから論旨は理由がない。
 同第二点について。
 原審第一回公判調書によると、同調書中に「被告人は弁護入の弁護権を抛棄せり」
と記載されていることは、所論のとおりである。論旨は「被告人」とあるだけでは
原審共同被告人三名中の何人をさすのか不明であるというのであるが、右公判に出
頭した被告人の全員をさす趣旨であることは多言を要しない。それゆえ、所論のよ
うな前提の下に原審が弁護権の行使を不法に制限したとする論旨は理由がない。な
お、公判期日に適式の召喚を受けた弁護人が自らその期日を懈怠して出頭しなかつ
たにかかわらず、原審に弁護権行使の不法制限があると主張する論旨の理由ないこ
とは、言うまでもないところである。
 弁護人久保寺誠夫の上告趣意について。
 論旨は、原判決が証拠としている買取明細表及び販売明細表は、不法に押収され
た帳簿によつて作成されたものであるから違法であるというのであるが、所論の各
明細表が所論の帳簿に基いて作成されたとする証跡は記録中に認むべきものがない
ばかりでなく、所論帳簿の押収が不法であつたことは本件記録上知り得ないところ
である。それ故、仮りに右明細表が所論帳簿によつて作成されたとしてもこれを証
拠とした原判決に所論のような違法があることは認められない。
 よつて、本件各上告を理由ないものと認め、旧刑訴四四六条に従い主文のとおり
判決する。
 以上は、裁判官全員一致の意見である。
 検察官 田中己代治関与
  昭和二六年一月三一日
     最高裁判所大法廷
         裁判長裁判官    塚   崎   直   義
            裁判官    長 谷 川   太 一 郎
            裁判官    沢   田   竹 治 郎
            裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    井   上       登
            裁判官    真   野       毅
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    岩   松   三   郎
            裁判官    河   村   又   介
 裁判官穂積重遠は差し支えにつき署名押印することができない。
         裁判長裁判官    塚   崎   直   義

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