弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄し、本件を仙台高等裁判所に差し戻す。
         理    由
 上告代理人中村喜一名義の上告理由第三点および第四点について。
 原判決(その引用する第一審判決を含む。以下同じ。)は、(イ)岩手県宮古市
大字ab字cd番のe山林の前々主D(一代目)が大正八年頃本件係争地に、これ
を自己所有の右山林の一部であると信じて、杉苗多数を植えつけ、その後その刈払
い等の手入れを続けて右植林の育成に努めてきたと認定し、一方において、(ロ)
右植林後間もなく、Eが、同所d番のf山林の当時の所有者Fに頼まれて、右Dが
植え残した本件係争地の東南隅に杉苗若干を植えつけたこと、Gほか一名が大正末
年または昭和初年頃同所d番のfの所有者である上告人先代H(第一審被告)の依
頼を受けて前記杉苗の成長した林の刈払いをしたこと、Iが昭和初年頃右Hの承諾
を得て本件係争地内から桑葉を採取したことをも認定したうえ、特段の理由を示す
ことなく、右(イ)(ロ)の事実の間には矛盾がないとして、右Dが昭和五年末ま
で本件係争地の単独占有を継続したことを認め、これを前提として、右Dの本件係
争地に対する所有権の時効取得を認めたのである。しかし、一定範囲の土地の占有
を継続したというためには、その部分につき、客観的に明確な程度に排他的な支配
状態を続けなければならないのであるから、右各認定事実のもとでは、占有の範囲
についても、その態様についても、直ちにDの単独占有が継続したとすることに首
肯しがたいものがあり、この点に関し原判決の説示するところには、理由不備の違
法があるといわなければならない。
 さらに、原判決は、右Dの右時効取得を認めるにあたり、同人が本件係争地がd
番のeの一部であると信じたことに過失がなかつたとしながら、その具体的事由を
示すところがない(近隣地所有者であるJおよびKが本件係争地は右Dの所有であ
ると思い、または他からそのむね聞き及んでいたとの説示をしているけれども、こ
のような事実は、右D自身が本件係争地が自己の所有に属するものと信じたことに
ついての過失の有無を判断するための事由とはならないというべきである。)。し
たがつて、原判決は、この点についても、理由不備の違法をおかしたものといわな
ければならない。
 それゆえ、論旨は理由があり、原判決を破棄し、さらに審理を尽くさせるため、
本件を原審に差し戻すのを相当とする。
 よつて、民訴法四〇七条一項に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決す
る。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    関   根   小   郷
            裁判官    田   中   二   郎
            裁判官    下   村   三   郎
            裁判官    松   本   正   雄
            裁判官    飯   村   義   美

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