弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人中嶋真治の上告理由一について。
 裁判上の和解は、確定判決と異なり、一面私法上の契約たる性質をも有し、私法
上の無効原因があるときは、初めから当然無効であると解すべきである(昭和一三
年(オ)第一七六八号同一四年八月一二日大審院判決・民集一八巻九〇三頁、昭和
三二年(オ)第一一七一号同三三年六月一四日第一小法廷判決・民集一二巻九号一
四九二頁参照)。原判決によれば、原審は、昭和二五年一二月八日、本件土地につ
き、期間を昭和三〇年九月末日までとする等の所論和解条項を含む本件裁判上の和
解による賃貸借成立の事実を確定し、右賃貸借は一時使用のため借地権を設定した
ものとは認められない旨判示した上で、所論和解条項は借地法二条に反する契約条
件であつて借地権者たる被上告人Bに不利なものであるから、本件和解中借地権の
存続期間の点は、同法一一条により定めなかつたものとみなされ、無効であると判
断したのであつて、原審の右判断は前示見解に合致するものであるから正当である。
論旨引用の最高裁判所大法廷判決は、罹災都市借地借家臨時処理法一五条による裁
判の既判力に関するものであつて、本件の如く裁判上の和解が私法上の無効原因を
含む場合における効力については何等判示するところがないから、本件に適切でな
い。論旨は理由がない。
 同上告理由二について。
 原判決によれば、原審は、原判示の諸事情を綜合考覈した上で、本件和解による
賃貸借は、従前の借地とは別個の本件土地につき、通常の構造を有する建物の所有
を目的として締結された新たな土地賃貸借契約であると認めるのを相当とし、これ
を一時使用のための借地権の設定と認めることはできない旨の認定判断をしたので
あつて、原判決挙示の証拠によれば、原審の右認定判断は是認するに難くない。ま
た、本件和解中借地権の存続期間の点は借地法に違反し無効なものであつて、この
点に関する原審の判断が正当であることは前叙のとおりである。原判決には所論の
如き違法はない。論旨は、結局、原審が適法にした証拠の取捨判断、事実の認定を
非難するに帰着するものであつて、採用することができない。
 同上告理由三について。
 原判決の理由第三項は、昭和二五年九月三〇日の所論契約は本件和解の成立を前
提としたものであつて、本件和解の成立した以上、少くとも賃貸借関係についての
条項はその効力を失つたものと認めるのが相当である旨の判断をしているのであつ
て、所論の如き判断をしているのではない。論旨は、原判示にそわないものである
から、理由がない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    池   田       克
            裁判官    河   村   大   助
            裁判官    奥   野   健   一
            裁判官    山   田   作 之 助
            裁判官    草   鹿   浅 之 介

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