弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人水口吉蔵の上告理由は末尾添附の別紙記載のとおりであつて、論旨は
総て本件買収価額が正当の補償でないことを前提とするものである。しかし右価額
が正当の補償といい得るものとする原判示は正当であるから(昭和二五年(オ)第
九八号同二八年一二月二三日大法廷判決参照)論旨は総て理由なきに帰する。
 よつて民訴法第三九六条、第三八四条、第九五条、第八九条に従つて主文のとお
り判決する。
 この判決は裁判官井上登、同真野毅、同斎藤悠輔、同岩松三郎の少数意見を除き
全裁判官全員一致の意見によるものである。
 裁判官井上登、同真野毅、同斎藤悠輔、同岩松三郎の少数意見。
 私は結論において多数説と一致するものであるが理由が異るのである。自作農創
設特別措置法は、農地改革に関する国の大政策を「急速且広汎に」(同法第一条)
達成することを目的とするものであるから、法所定の買収による所有権移転の効力
が訴訟によつて争われ、長く確定しないことは甚しく法の目的に反するものといわ
なければならない。それ故法は対価の額に対する不服の為め買収そのものの効力が
争われこれによつて法所期の所有権移転の効力の確定が遅延することを避ける為め、
所有権の移転と対価の支払とを分離し、所有権の移転は対価の如何に拘わらず(他
に買収行為につき欠陥なき限り)効力を生ずるものとし、対価額に対する不服につ
いては特に法一四条の訴を認めてその救済を計つたのである(前記大法廷判決中に
掲げた少数意見参照)。しかも不服が買収対価の額についてのみ存し、他に何等不
服なき場合においては、その為め買収全体を無効たらしめる必要は少しもなく、対
価額の増額によつて十分救済さるべき理である。されば、法が特に右の訴を認めた
趣旨は、対価の額のみに対する不服の救済は専ら此の訴にのみよらしめ、これを事
由として買収そのものの無効確認又は取消を求める訴の提起を許さないこととする
にあるものと解すべきである。しかして本訴が対価額のみの不服により買収の無効
確認を求める訴であることは記録により明であるから、本訴請求はこの点において
既に認容され得ないものというべく、これを棄却した原判決は結局正当であり、論
旨は総て理由なきに帰する。
 裁判官塚崎直義、同長谷川太一郎、同沢田竹治郎、同穂積重遠は合議に関与しな
い。
     最高裁判所大法廷
         裁判長裁判官    田   中   耕 太 郎
            裁判官    井   上       登
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    真   野       毅
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    島           保
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    岩   松   三   郎
 裁判官霜山精一は退官につき署名捺印することができない。
         裁判長裁判官    田   中   耕 太 郎

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛