弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主       文
被告人を懲役1年7月に処する。
理       由
(犯罪事実)
第1 被告人は,酒気を帯び,呼気1リットルにつき0.25ミリグラム以上のア
ルコールを身体に保有する状態で,平成13年11月5日午後9時25分ころ,横
浜市a区b町○番地○付近道路において,普通乗用自動車を運転し
第2前記日時ころ,業務として前記車両を運転し,前記場所先道路をc○丁目方
面からd方面に向かい時速約25キロメートルで進行するに当たり,前方左右を注
視し,進路の安全を確認しつつ進行すべき業務上の注意義務があるのにこれを怠り,
携帯電話の会話に気を取られ,前方左右を十分注視せず,進路の安全確認不十分のま
ま漫然前記速度で進行した過失により,折から進路前方を右方から左方に横断歩道
中のB(当時65歳)に気づかないまま自車前部左側を同人に衝突させて同人を路上
に転倒させ,よって,同人に脳挫傷等の傷害を負わせ,同日午後10時27分ころ,
横浜市e区f○丁目○番の○号g病院において,同人を前記傷害により死亡するに至
らせ
たものである。
(証拠)略
(量刑理由)
本件は,酒気帯び運転の前科を有する被告人が再び酒気帯び運転をした上,携帯
電話の会話に気をとられて前方注視不十分のまま進行した過失により,横断歩行中
の被害者に自車を衝突させて被害者を死に至らしめたという悪質な交通事案であ
る。
本件の過失態様は,酒気帯び運転をした上,携帯電話の会話に気をとられて前方
注視を怠ったというものであり,悪質であるのに加え,本件当時は夜間で雨が降っ
ていて,道路の幅員も狭い状況であったことを考えると,被告人の過失の程度は極
めて重大である。
本件の被害者は横断歩道付近を歩行していたものであり,落ち度はなかったもの
であり,横断歩道の間近であったことから被告人の方に歩行者に対する最大限の留
意をする必要があったものである。
本件の被害者は被告人の軽率かつ重大な過失により死亡するに至っていて,本件
の結果は重大である。被害者は理容師の資格を有していて,同業界の中枢の地位に
あり,また一家の大黒柱として公私にわたり多忙な日々を送っている中,本件によ
り突然死に至ったものであり,被害者の無念さ,遺族の無念さは深く大きく,被告
人に対し,当然のこととはいえ,厳しい処罰感情を有している。本件においては,後
述するように被告人も相当程度示談の努力をしているものの,遺族は被告人を宥恕す
るに至っていない。
被告人は,本件の数時間前から会社の同僚と居酒屋において飲酒し,ビール,日本
酒,焼酎等複数の酒を飲んで,本件事故後の飲酒検知で呼気1リットルにつき0.
35ミリグラムという相当量のアルコールが検出されていることからしても,相当
量の飲酒をした上で運転しているものであり,酒気帯び運転の態様も悪質である。
被告人は同種罰金前科を有しているのに加えて,その後も複数回飲酒運転をしてい
た旨供述していることからしても,酒気帯び運転の禁止等交通法規に対する遵法精
神の欠如が窺えるものである。
以上の事柄を考慮すると,被告人の刑事責任は重大であり,被告人の家族が被害
者遺族に100万円を支払った上で被告人も含めて,本件後十数回以上にわたって
被害者の遺族に謝罪し,相当程度示談の努力をして誠意を示していること,被告人
も当公判廷において本件について真摯に反省していること,本件の損害について
は,被告人の加入していた任意保険で一定程度填補されると思料されること,被告
人の父が痴呆症で看護を要することに加えて,被告人は離婚した妻の子にも養育費
の仕送りを続けていて,被告人の実刑は家族等に影響するところが大きいこと,被
告人は定職に就いていること,前記前科以外の前科はないことといった被告人に有
利な諸事情を考慮しても,なお前記過失の重大さ,被害結果の重大性,被害者が被
告人を宥恕しておらず,実刑を望んでいることといった諸事情に照らして,執行を
猶予することは相当ではなく,主文程度の実刑はやむを得ないものと判断した。
(検察官粟田知穂,私選弁護人中久木邦宏各出席)
(求刑-懲役3年)
平成14年3月8日
横浜地方裁判所第2刑事部
     裁判官   柳  澤  直  人

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