弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人美並昌雄の上告理由第一の1、2について
 本件事故は、航行区域を沿海区域とする汽船である第五神山丸が、航行区域を平
水区域とするいわゆる内水船である第三泉丸を曳き、その後に無機力運貨船(バー
ジ)を曳いて、神戸港の東神戸航路の沖合から同航路に進入した際、第五神山丸及
び第三泉丸の船長の過失により、無機力運貨船が、海上自衛隊阪神基地隊東岸壁に
係留されていた被上告人所有の掃海艇に衝突し、これを損傷させたという態様のも
のであることは、原審の適法に確定したところである。この事実関係の下において
は、第三泉丸が内水船であっても、第五神山丸、第三泉丸及び無機力運貨船全体に
商法第四編の関係規定の適用があるとした原審の判断は、正当として是認すること
ができる。
 さらに、原審の確定した事実によれば、第五神山丸及び第三泉丸の船舶所有者と
上告人との間に、「定期傭船契約書」と題する契約書が取り交わされていたという
のであって、本件事故につき、被上告人は、右契約による上告人の法的地位に基づ
いて上告人に対し損害賠償の請求をしている。
 ところで、定期傭船者の衝突責任などの権利義務の範囲については、商法を始め
とする海商法の分野での成文法には依拠すべき明文の規定がないので、専ら当該契
約の約定及び契約関係の実体的側面に即して検討されなければならないところ、前
記の各契約書はそれぞれ本文一枚の極めて簡略なものであって、そこには、「船舶
の使用に関する一切の命令指示等の権限は上告人に属する。」、「傭船料は一か月
五〇万円(第五神山丸分)、五二万円(第三泉丸分)とし、上告人は、航海数に応
じ、船長らに対し繁忙手当を支給する。」、「本契約の有効期間は向こう一年とし、
契約当事者から解約の申出がない場合は、自動的に更新される。」などの約定の記
載があるにとどまっている。次いで、その契約関係の実体についてみるのに、原審
の確定したところによると、右約定に係る定額の傭船料は実際には支払われたこと
がなく、対価はすべて運航時間に応じて算出されており、燃料費は船舶所有者にお
いて負担し、上告人には船長の任免権があるともいえず、また、上告人が各船舶を
直接自己の占有下に置いてはいなかった、というのである。しかしながら他方、各
船舶は、専属的に上告人営業の運送に従事し、その煙突には、上告人のマークが表
示されており、その運航については、上告人が日常的に具体的な指示命令を発して
いたのであって、上告人としては、各船舶を上告人の企業組織の一部として、右契
約の期間中日常的に指揮監督しながら、継続的かつ排他的、独占的に使用して、上
告人の事業に従事させていたというのも、また原審の確定した事実である。原審は、
これらの事実関係の下において、上告人は、船舶所有者と同様の企業主体としての
経済的実体を有していたものであるから、右各船舶の航行の過失によって被上告人
所有の掃海艇に与えた損害について、商法七〇四条一項の類推適用により、同法六
九〇条による船舶所有者と同一の損害賠償義務を負担すべきであるとしたが、この
判断は、正当として是認することができる。原判決に所論の違法はなく、論旨は採
用することができない。
 同第一の3、第二について
 被上告人所有の掃海艇側に上告人主張の過失はなく、また、被上告人がその主張
のとおりの損害を被ったものであるとした原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関
係に照らし、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨
は、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するものにすぎず、採
用することができない。
 よって、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主
文のとおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    佐   藤   庄 市 郎
            裁判官    坂   上   壽   夫
            裁判官    貞   家   克   己
            裁判官    園   部   逸   夫
            裁判官    可   部   恒   雄

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