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裁判例


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       主   文
1 第1審原告の控訴に基づき,原判決を次のとおり変更する。
(1) 第1審被告は,別紙1費用弁償一覧表の「議員名」欄記載の各人に対し,
同表の「議員名」欄記載の各人に対応する「合計」欄記載の各金員及びこれらに対
する各請求日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せ
よ。
(2) 第1審原告のその余の請求をいずれも棄却する。
2 第1審被告の控訴を棄却する。
3 訴訟費用は,第1・2審を通じて,第1審被告の負担とする。
       事実及び理由
第1 控訴の趣旨
1 第1審原告
(1) 原判決を次のとおり変更する。
(2) 第1審被告は,別紙1費用弁償一覧表の「議員名」欄記載の各人に対し,
同表の「議員名」欄記載の各人に対応する「合計」欄記載の各金員及びこれらに対
する平成14年11月14日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよ
う請求せよ。
(3) 第1審被告は,P1に対し,112万円及びこれに対する平成14年11
月14日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。
(4) 第1審被告は,P2に対し,112万円及びこれに対する平成14年11
月14日から支払済みまで年5分の割合による金員の賠償を命令せよ。
2 第1審被告
(1) 原判決中,第1審被告敗訴部分を取り消す。
(2) 第1審原告の請求をいずれも棄却する。
第2 事案の概要
1 事案の要旨
(1) 本件は,尼崎市の住民である第1審原告が,一部事務組合である阪神水道
企業団(以下「企業団」という。)において,法定外の議員協議会等に出席した企
業団議会議員(以下「企業団議員」という。)に対してされた,1日当たり1万4
000円の費用弁償の支給が,法律及び条例上の根拠を欠く違法な支給であったと
して,地方自治法(以下「法」という。)242条の2第1項4号に基づき,第1
審被告(企業団企業長)に対し,① 企業団企業長であるP1に対する不法行為に
基づく同費用全額及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成14年11月1
4日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の賠償請求及び企業
団総務部庶務課課長であるP2に対する不法行為に基づく同費用全額及びこれに対
する同様の遅延損害金の賠償命令をするよう求めると共に,② 費用弁償の支給を
受けた企業団議員らに対し,不当利得に基づき,各人の受給額及びこれに対する同
様の遅延損害金の返還請求をするよう求めた事案である。
(2) 原審は,法定外の議員協議会等に出席した企業団議員に費用弁償を支給し
たこと自体は適法であるとしながら,費用弁償金のうち,1日当たり7000円を
超える部分の支給については,企業団議会の裁量権の逸脱・濫用があるとして,第
1審原告の請求のうち,費用弁償の支給を受けた企業団議員に対する不当利得に基
づく同費用のうち,1日当たり7000円を超える部分及びこれに対する各企業団
議員に対する請求日の翌日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害
金の返還請求をするよう求める限度で認容したが,P1及びP2には不法行為責任
が認められないとして,その余の請求はいずれも棄却した。
 第1審原告及び第1審被告は,いずれも自己の敗訴部分の取消しを求めて控訴し
た。
2 前提事実(証拠の記載がない事実は,当事者間に争いがない。)
(1) 当事者等
ア 第1審原告は,尼崎市の住民である。
イ 企業団は,神戸市,尼崎市,西宮市及び芦屋市の各市をもって組織され,上水
道事務の一部を共同処理することを目的とする特別地方公共団体である一部事務組
合である(乙2)。
 企業団議会は,各市の議会から選出される議員並びに各市の市長,神戸市の助
役,同市及び尼崎市の水道局長の29人の議員で構成されている(乙2)。
ウ P1は,遅くとも平成13年8月から現在まで,企業団の企業長の職にあるも
のである。
エ P2は,遅くとも平成13年8月から現在まで,企業団の総務部庶務課課長の
職にあり,後記(3)の本件費用弁償の専決権者である。
(2) 初議会前の協議会の開催
 企業団では,平成13年度及び平成14年度において,各年度で初めて招集され
る企業団議会の臨時会(以下「初議会」という。)の開催に先立ち,別紙2の協議
会等一覧表記載のとおりの各会議が開催され,それぞれ同表「支給人数」欄記載の
人数の企業団議員が出席した。
 以下,同表1ないし4及び7ないし11の各会議を「本件協議会等」といい,同
5及び6の各会議を「個別事情による協議会」という。
(3) 費用弁償の支給
ア P2は,別紙1費用弁償一覧表記載のとおり,本件協議会等に出席した企業団
議員に対し,同表の「支払日」欄記載のころ,阪神水道企業団報酬並びに費用弁償
に関する条例(以下「本件条例」という。)3条1項に基づく費用弁償として,1
回の会議出席につき1万4000円を支給する旨の命令をし,上記各議員に対して
同額が支給された(以下これらを「本件費用弁償」という。)。
 企業団議員が本件費用弁償によって支給を受けた金額の合計は,同表各「合計」
欄記載のとおりであり,全議員に対する支給額の合計は,112万円である。
イ また,P2は,個別事情による協議会に出席した企業団議員に対しても,上記
と同様に費用弁償を行い,上記各議員に対して合計12万6000円が支給され
た。
(4) 監査請求及び本件訴えの提起
ア 第1審原告は,平成14年8月16日付けで,企業団監査委員に対し,上記
(3)ア・イの費用弁償がいずれも違法であるとして,住民監査請求を行った。
イ これに対し,同監査委員は,平成14年10月10日付けで,上記請求のう
ち,個別事情による協議会への出席についてした費用弁償(請求額合計12万60
00円)に関する部分は理由があるものと認め,第1審被告に対して別紙3記載の
とおり勧告したが,本件費用弁償に関する部分は第1審原告の請求(請求額合計1
12万円)を棄却し,そのころ,第1審原告に対し,その旨通知した。
ウ その結果を受け,企業団は,上記監査結果に従い,個別事情による協議会への
出席者に支給された費用弁償合計12万6000円については,企業団議員に返還
を請求して,その全額につき返還を受けた。
エ そこで,第1審原告は,平成14年11月8日,上記棄却部分を不服として,
本件訴えを提起した。
(5) 関係法令の定め
ア 議員に対する費用弁償について
(ア) 法の定め
 普通地方公共団体の議会の議員は,職務を行うため要する費用の弁償を受けるこ
とができるが(法203条3項),その額及びその支給方法は,条例で定めなけれ
ばならず(同条5項),法律又はこれに基づく条例に基づかずに費用弁償を行うこ
とは許されない(法204条の2)。
 そして,これらの規定は,いずれも一部事務組合の議員についても準用される
(法292条)。
(イ) 条例の定め
 企業団においては,法203条5項の規定を受けて,本件条例が制定されてお
り,同条例第3条1項は,費用弁償に関し,「議長,副議長及び議員並びに監査委
員が公務に従事したときは,費用弁償として1日について1万4000円を支給す
る。」と定めている。
イ 費用弁償の支給に関する権限関係
(ア) 企業団では,企業長の権限に属する事務処理として,企業団総務部庶務課
の担当する事務の一つとして,「議会に関すること。」が規定されている(乙8・
阪神水道企業団分課規程1条,7条)。
(イ) そして,企業長の権限に属する事務のうち,「給料の支給に関するこ
と。」,「諸手当の認定及び支給に関すること。」及び「旅費の支給に関するこ
と。」は,総務部庶務課長の専決事項とされている(乙9・阪神水道企業団決裁規
程6条)。
3 争点
(1) 本件費用弁償の適法性
ア 費用弁償自体の適否
イ 費用弁償額の適否
(2) P1及びP2の責任
4 争点に関する当事者の主張
(1) 争点(1)ア(本件費用弁償の適法性~費用弁償自体の適否)について
〔第1審原告〕
 本件協議会等は,法及び条例上の根拠を有しておらず,実質的な観点からも法定
外の会議への出席についての費用弁償が正当化され得るものではないから,本件協
議会等への企業団議員の出席は,本件条例3条1項の「公務」(法203条3項の
「職務」と同義に解することは争わない。)に当たらず,本件費用弁償は違法であ
る。その理由は,次のとおりである。
ア 議員の公務性の判断基準
 企業団は,費用弁償の対象となる職務ないし公務の範囲を決するについて裁量権
を有するものではなく,会議への議員の出席について費用弁償が認められるのは,
当該会議が法律上の根拠を有する場合に限られると解すべきである。すなわち,
(ア) 法204条の2は,報酬・給与等の支給について条例決定主義を定め,議
員等に対して支給し得る報酬・給与等の種類,額及び支給方法を法定し,地方公共
団体の条例による自主決定の余地を限定している。
(イ) 法は,議会制度の組織・運営に関しては,法定主義を採用し,特別地方公
共団体の議会の活動の強化・効率化などを図るために,常任委員会,議会運営委員
会,特別委員会を設置できるとしているものの,委員会制度についても議会にすべ
てを委ねずに,その設置,その数,委員の選任,権限などを法で定める法定主義を
採用しており,議会は上記3種類の委員会以外の委員会や会議を設置する権限を有
しないのであり,この点に関し,議会の裁量の余地はない。
 しかも,議員は,公共団体の政策を決定し,かつ執行機関の監視・批判などを使
命とする議会の構成員として,これらの使命を達成できるよう懸命に努力すること
が求められており,このような職責を全うするためには,単に議会・委員会などに
出席するだけでは足りず,住民との対話,調査研究,議員間や執行機関との討論な
ど,すべきことが無数に存在しており,協議会などへの出席もこれら諸活動のひと
つにすぎないのであるが,法は,これらの経費すべてを支払うとの立場を採ってお
らず,職務に要した経費に対してのみ実費弁償し,それ以外の自主的活動の経費に
対しては報酬によって賄うことにしているのである。
 したがって,上記の法の精神からすると,法律上の根拠を有しない協議会などが
委員会と同種の目的のために開催されたとしても,それはあくまで議員の自主的活
動として評価されるべきであるから,協議会等への出席が公務ないし職務となるこ
とはない。
(ウ) 行政実例でも,地方議会議員に対する費用弁償について,法定外の会議へ
の出席につき費用弁償を支給すべきでないとされている。
(エ) 第1審被告は,議員活動の職務性の判断については,最高裁判所昭和63
年3月10日第1小法廷判決・判例時報1270号73頁(以下「昭和63年判
決」という。)において地方公共団体の裁量権が認められていると主張する。
 しかし,昭和63年判決は,当該行為が議員の職務に該当するか否か自体が問題
となったものではないし,議員の海外派遣が職務ないし公務に該当し適法とされる
場合があるとしたにすぎず,いずれにしても,議会の権能・権限に関する問題に関
する判例にすぎず,議会の組織・運営に関するものではないから,本件とは事案を
異にし,第1審被告の上記主張は失当である。なお,議員の海外出張等を議会の裁
量により行うことは何ら法で禁じられていないのに対し,委員会については,上記
のように法定主義を採用しており,その点においても全く異なるのであって,法定
の委員会以外の協議会等を裁量で設置し,費用弁償ができると解することはできな
い。
イ 本件についての検討
(ア) 本件協議会等の法的性格
 阪神水道企業団議会委員会条例では,企業団議会に議会運営委員会(1条1項)
と特定の事件を審査する必要がある場合において議会の議決で置く特別委員会(2
条1項)を設置するものとされているが,それ以外の委員会や協議会の設置は予定
されておらず,本件協議会等は,何ら法及び条例上の根拠を有しておらず,議員の
事実上の集会にすぎない。
(イ) 実質的検討
 本件協議会等への企業団議員の出席を費用弁償の対象とすることは,実質的な観
点からも,次のとおり正当性を有しない。
a 法的根拠のない会議への出席に公務性を認めれば,費用弁償の対象が,本会議
の準備のための議員同士の打合せ会などにも際限なく広がり,多大な弊害をもたら
すことになる。
b 他の地方公共団体をみても,議員協議会等への企業団議員の出席を費用弁償の
対象とする例は稀有であり,現在では,議会や委員会への費用弁償も支給していな
い例が次第に増加している。
(ウ) まとめ
 以上のとおり,本件協議会等は,法及び条例上の根拠を有しておらず,実質的な
観点からも法定外の会議への出席についての費用弁償が正当化され得るものではな
いから,本件協議会等への企業団議員の出席は,本件条例3条1項の「公務」に当
たらず,本件費用弁償は違法である。
〔第1審被告〕
 本件協議会等への企業団議員の出席は,本件条例3条1項の「公務」(法203
条3項の「職務」と同義である。)に当たり,企業団が,本件協議会等に出席した
企業団議員に対し,費用弁償をしたことは違法ではない。その理由は,次のとおり
である。
ア 議員活動の公務性の判断基準
(ア) 企業団の裁量権
 企業団は,特別地方公共団体として普通地方公共団体の地方議会と同様に自律権
を有しており,その判断が明らかに不合理でない限り,裁量権を逸脱・濫用する違
法があるとはいえないと解すべきである。
(イ) 議員活動の公務性について
a 確かに,地方議会議員に対する費用弁償については,第1審原告主張のとお
り,法定外の会議への出席につき費用弁償を支給すべきでないとする行政実例が存
在する。
b しかし,最高裁判所は,市議会議員の海外派遣旅費の支出を適法とし(昭和6
3年判決),また,費用弁償の支給事由及び額の決定が地方議会の裁量判断に委ね
られるものと判断している(最高裁判所平成2年12月21日第2小法廷判決・民
集44巻9号1706頁〈以下「平成2年判決」という。〉)。
 このように,最高裁判所は,議員の活動が議会の権能を果たすために合理的な必
要性を有するものである限り,議会の裁量によって当該活動を議員の職務とするこ
とができるものとしているのである。
 仮に,第1審原告が主張するように,法が組織・運営については法定主義を採用
しているとしても,法定された会議以外の開催が禁止されているわけではなく,同
会議に出席した議員に対し,費用弁償をすべきか否かは,結局,議員の海外派遣と
同様に,当該職務が公務かどうかによるのであるから,昭和63年判決の論理は,
本件協議会等への出席の場合にも適用があるものである。
c したがって,企業団においても議員活動についての上記裁量権は認められるべ
きであり,職務性ないし公務性が欠けるのは,議員の当該活動につき,目的の正当
性,又は目的と手段との関連性のいずれかが認められない場合に限られるとすべき
である。
イ 本件についての検討
(ア) 本件協議会等の法的性格
 本件協議会等は,いずれも法及び条例上の根拠はないが,企業団議会議長の開催
通知によって開かれ,その開催に当たっては,企業団議会書記が出席する等関与し
ており,また,企業団議長の要請によって企業長らの幹部職員も出席しており,単
に企業団議員が事実上参集して開催したものではなく,企業団議会の正当な意思に
基づく会議である。
(イ) 実質的検討
a 企業団議会における特殊事情
 企業団議会としては,新年度のできるだけ早い時期に初議会を開催し,議会運営
委員会委員及び監査委員の選出を行う必要がある。しかし,初議会の開催に当たっ
ては,毎年改選される各市議会選出の企業団議員の改選時期が各市ごとに異なるこ
と,各市の議会日程を勘案して初議会の開催時期を決定せざるを得ないことから,
数日間の会期で開催するのは非常に困難であり,会期は1日とならざるを得ない状
況となっている。
 そこで,企業団議会では,初議会を円滑かつ効率的に運営するため,事前に本件
協議会等を開催してきた。
 したがって,本件協議会等への企業団議員の出席は,目的の正当性も目的と手段
との関連性も認められる。
b 議員の海外派遣等の事例との比較
 昭和63年判決においては,濫用の危険が高いとみられる議員の海外派遣等の場
合ですら,違法とされるのは例外的な場合にすぎない。それゆえ,本件協議会等へ
の企業団議員の出席は,企業団議会の前記特殊事情,本件協議会等と正規の議会活
動との密接性,金額が予想できる範囲のもので濫用の危険性も少ないことなどの点
にかんがみ,一層職務性ないし公務性が認められてしかるべきである。
c 他の地方公共団体との比較について
 第1審原告は,議員協議会への企業団議員の出席を費用弁償の対象としている地
方公共団体が稀有であると主張するが,かかる主張は,企業団の上記特殊事情を無
視するものであり,失当である。
 なお,近時,兵庫県議会では,費用弁償制度が見直され,条例改正案が提案され
ているところ,法や条例に規定されていないにもかかわらず費用弁償の支給対象と
なっていた各会派代表者会議や政務調査会長会などについても,引き続き支給対象
となるものとされている。
(ウ) まとめ
 よって,本件協議会等への企業団議員の出席は,本件条例3条1項の「公務」に
当たり,企業団が,本件協議会等に出席した企業団議員に対し,費用弁償をしたこ
と自体に違法はない。
(2) 争点(1)イ(本件費用弁償の適法性~費用弁償額の適否)について
〔控訴人〕
 仮に,費用弁償をしたこと自体が違法ではないとしても,次のとおりの事情から
すると,その支給額は,1日当たり3000円が限度であり,それを超える金額の
支給は裁量権の濫用である。
 すなわち,企業団での職務場所である神戸市αは,企業団議員の本来の職務場所
である各市役所に近接しており,鉄道交通の便も非常に良く,交通費もわずかな金
額で済み,宿泊は不要であること,企業団議員は,本来所属している地方公共団体
から相当額の議員報酬(もしくは市長給与)及び期末手当を受領しており,更に企
業団からも議員報酬を受領していること,企業団議員の職務は,議会運営委員会委
員を除けば,年間11日の公式会議に出席するほか,本件協議会等に各1回出席す
るだけであり,本件協議会等は,企業団事業の概要説明や提案予定議案の事前説明
等が行われるだけであって,中味も乏しく短時間で終了すること,その他,他の地
方公共団体においては,本件協議会等のような法的根拠を有しない会議への議員の
出席を費用弁償の支給対象としている例は稀有であること,証人等への旅費,日当
との対比,各市及び企業団の財政状況,市民感情等からすると,議員の自宅から企
業団までの交通費の平均額1000円と4市における証人等に対する日当の平均額
500円の合計1500円の倍額の3000円が裁量の限度であると解すべきであ
る。
〔被控訴人〕
 前記のとおり,平成2年判決は,費用弁償の支給事由及び額の決定が地方議会の
裁量判断に委ねられると判断しており,費用弁償の額をいくらにするかについて
は,自律した民主的な機関である議会が国家機関の不当な干渉を受けずに,民主的
な手続の過程の中で,十分な情報収集をした上,種々の事情を考慮して決すべきも
のであり,その性質上,広範な裁量権が認められてしかるべきであり,したがっ
て,目的の正当性及び目的と手段の関連性の点からみて著しく不合理であることが
明白であり,裁量権の逸脱・濫用とみられるものでない限り,地方自治体の議会の
自律的判断が尊重されるべきであり,民主的な基盤が希薄である上,地方自治につ
き判断能力も責任もない国家機関である裁判所が介入し,金額が高額すぎるなどと
決めつけることは極力差し控えられるべきである。
 本件においては,前記のとおり,本件協議会等への出席に費用弁償すること自体
違法ではないこと,数市にまたがる企業団よりも範囲の限られた市ですら,一律に
1日当たり1万円以上の費用弁償をしているところが多数存在すること,議員の負
担する実費は交通費だけではないし,しかもその交通費についても電車の利用しか
考慮しないのは不当であり,タクシー利用を考慮すると,交通費自体相当高額にな
ること,企業団議員に役徳があるかのような認識は誤解であり,企業団議員の職責
は重大であること等からすると,1日当たり1万4000円の費用弁償が企業団議
会の裁量権を逸脱・濫用したものとはいえないのは明らかである。
 仮に,1日当たり1万4000円という金額が不相当であったとしても,いかな
る時期にいかなる内容に条例を是正すべきかについては企業団議会に広範な裁量権
が認められていると解されるから,平成15年4月1日以降1万1000円に減額
され,本件協議会等への出席に対する費用弁償が廃止されたことにより,合理的な
期間内での是正がされたことになり,裁量権の逸脱・濫用はなかったと解すべきで
ある。
(3) 争点(2)(P1及びP2の責任)について
〔第1審原告〕
 議員に対する費用弁償については,法定外の会議への出席につき費用弁償を支給
すべきでないとする行政実例が存在し,実際にも,他の地方公共団体においては本
件費用弁償のような支出をしていないのが通例である。
 これらの点からすれば,P2には,本件費用弁償を行ったことにつき故意又は重
大な過失があり,P1には,P2の上記行為を阻止しなかったことにつき故意又は
過失がある。
〔第1審被告〕
 仮に本件費用弁償の全部又は一部が違法であったとしても,その違法は明白かつ
重大なものとはいえず,P1及びP2は,飽くまで従前からの慣行に従い,支出を
行い又はこれを容認したものであって,事実上これを拒否する自由もなかった。
 したがって,P2が本件費用弁償の全部又は一部を行ったことにつき,故意又は
重過失はなく,また,P1がP2の上記行為を阻止しなかったことにつき,故意又
は過失はない。
第3 当裁判所の判断
1 認定事実
 前記前提事実及び証拠(甲3ないし23,25の1・2,26,27,29,3
4,35,乙1ないし3,5,11の1ないし3,13ないし17,23,24)
並びに弁論の全趣旨を総合すると,次の事実が認められる。
(1) 企業団議会の構成等
 企業団は,神戸市,尼崎市,西宮市及び芦屋市の各市をもって組織され,上水道
事務の一部を共同処理することを目的としており,企業団議会は,上記各市の議会
から選出される議員並びに各市の市長,神戸市の助役,同市及び尼崎市の水道局長
の29人の議員で構成され,議長には神戸市長が就任することになっている。
 このうち,各市の議会議員から選出される企業団議員は,全員が毎年改選され,
その改選時期は,各市の議会ごとに異なり,毎年6月下旬から7月中旬にかけてで
ある。
 企業団議会は,標準的な年間日程(甲26)によれば,8月上旬に第1回臨時会
(初会議)を開催して,監査委員等を選任し,11月下旬に第2回定例会,翌年2
月下旬に第1回定例会を開催し,その間に各委員会が開催されることなっている
が,新年度に改選された企業団議員による初会議は,上記のような改選状況と各市
の議会との関係から例年8月上旬に1日しか開催できない。そのため企業団ではか
ねてから初会議前に本件協議会等を開催して,新議員に対する説明等を行ってきて
いる。
(2) 本件協議会等の内容
ア 各市別議員協議会
 各市別議員協議会は,個別事情による協議会を除き,初議会の開催に先立ち,各
市議会から企業団議員が選出された後,順次,各市別に企業団議員が出席して開催
され,各議員に対して企業団の規約,議会委員会条例,議会会議規則,議会運営委
員会の決定事項等の説明,及び各市で決定する必要がある企業団の議会運営委員会
委員の就任予定者の選出が行われた。
イ 議員協議会代表者会議
 議員協議会代表者会議は,初議会の開催に先立ち,各市別議員協議会で選出され
た議会運営委員会委員の就任予定者10人が出席して開催され,初議会付議案件,
全体議員協議会及び初議会の日程調整,議事運営等について協議が行われた。
ウ 全体議員協議会
 全体議員協議会は,初議会の開催に先立ち,企業団議員が出席して開催され,各
議員に対する企業団事業についての概要説明及び初議会付議案件の説明,付議案件
中の人事案件についての事前協議,浄水場等の施設視察が行われた。
エ 本件協議会等の性質
 本件協議会等は,いずれも,企業団の議長からの開催通知により実施され,企業
団からは企業長以下の幹部職員及び議会書記が出席しており,単に議員が事実上参
集して開催したものではない。しかし,正式な議事録が作成されるようなことはな
い。
(3) 議会,委員会等の設置に関する憲法,法及び条例の定め
ア 日本国憲法は,地方自治に関し,以下のとおり定めている。
92条 地方公共団体の組織及び運営に関する事項は,地方自治の本旨に基づい
て,法律でこれを定める。
93条1項 地方公共団体には,法律の定めるところにより,その議事機関として
議会を設置する。
2項 地方公共団体の長,その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は,その
地方公共団体の住民が,直接これを選挙する。
94条 地方公共団体は,その財産を管理し,事務を処理し,及び行政を執行する
権能を有し,法律の範囲内で条例を制定することができる。
イ 上記憲法の規定を受けて,法は,議会の組織(89条ないし95条),権限
(96条ないし100条),招集及び会期(101条ないし108条)を規定する
とともに,会議(112条ないし123条)の規定において,定足数,議事の公開
の原則,表決の方法,会議録の記載等厳格な法的手続を規定するとともに,委員会
については,常任委員会(109条),議会運営委員会(109条の2)及び特別
委員会(110条)につき,その数,委員の選任,権限などにを法定しているが,
これらの委員会も必置ではなく,条例による任意設置とされており,上記以外に
は,法上,議会内の委員会等を設置することができる旨の定めは存在しない。
 法は,上記委員会の規定を292条により,一部事務組合の議会に準用してい
る。
ウ 更に,上記の法の規定を受けて,阪神水道企業団議会委員会条例は,企業団議
会に議会運営委員会を置くと規定するほか,特定の事件を審査する必要がある場合
には,議会の議決をもって特別委員会を設置することと規定している(乙2・同条
例1条1項,2条1項)。
(4) 議員に対する費用弁償に関する行政実例の存在
 行政実例においては,地方議会議員に対する費用弁償に関して,次のとおりの見
解が示されている(甲3,以下これらを「本件行政実例」という。)。
ア ① 議会閉会中の審査の付託がなされていない場合に,常任委員会が委員長の
招集により開かれ,それに出席した議員,② 議会開会前,予算及び条例の内示等
のため,市長からの要請に基づく委員長の招集により常任委員会に出席した場合,
③ 議会閉会中,市長の要請又は議会の必要に基づき議員協議会(全員)に出席し
又は議長が各党代表と協議するため参集を求めたので出席した場合には,いずれも
費用弁償を支給すべきでない(昭和27年4月24日地自行発第111号小樽市議
会事務局長宛 行政課長回答)。
イ 条例で設置された議会運営委員会が,議会開会の前日に委員長により招集さ
れ,翌日の議会運営事項について協議決定された場合に,同委員会に出席した議員
に対する費用弁償の支給は違法である(平成27年12月26日自行行発第193
号鹿児島県総務部長宛 行政課長回答)。
ウ 議会の閉会中に,議決に基づかないで招集された,① 議会運営委員会(申合
せによるもの),② 各党代表者会議,③ 全員協議会に出席した議員に対して費
用弁償を支給することは,法204条の2に抵触する(昭和33年5月7日自丁行
発第81号群馬県議会事務局長宛 行政課長回答)。
(5) 他の地方公共団体における費用弁償の実施状況
ア 他の地方公共団体においては,法的根拠を有しない会議(議員の全員協議会,
代表者会議や議員協議会等)への議員の出席を費用弁償の支給対象としている自治
体は極めてわずかであり,現在では,議会や委員会への議員の出席についても,費
用弁償の支給対象としない自治体が多く,また,その数は次第に増えてきている
(第1審被告もこの事実を認めている〈第1審被告の平成15年10月3日付け準
備書面第2の1参照〉。)。
イ 他方,兵庫県議会では,法的根拠のない各会派代表者会議や政務調査会長会な
どについても,1日当たり一律1万6500円の金額の費用弁償を支給する制度が
設けられている。そして,兵庫県議会では,平成15年9月26日に開会された県
議会に条例改正案が提案され,その支給方法,支給金額の改正が提案されたが,同
条例改正案でも,上記法的根拠のない各会議について,引き続き支給対象となるも
のとされている(乙11の1ないし3)。
(6) 本件条例の改正
 本件条例3条1項は,その後改正され,平成15年4月1日からは,費用弁償の
対象としては,「公務に従事したとき」ではなく,「定例会,臨時会及び阪神水道
企業団議会委員会条例に規定する委員会の会議に出席したとき」とされ,費用弁償
の額も1日当たり1万1000円とされた。
2 争点(1)(本件費用弁償の適法性)について
(1) 費用弁償自体の適否(争点(1)ア)
ア 憲法及び法の趣旨
 上記のとおり,憲法自体,地方公共団体の組織及び運営に関しては,法定主義を
宣言し,議事機関としては,住民の直接選挙により選ばれた議員による議会の設置
を義務づけており,それを受けて,法は,議会の運営について,公開の原則をはじ
めその他各種の厳格な法的手続を規定し,委員会についても必置ではなく任意の機
関とし,しかもその種類,数,権限等についても詳細に規定しているのであるか
ら,憲法ないし法の趣旨としては,地方公共団体の意思決定方法につき,可能な限
り議事機関である議会が法定の方法による議決をもって行うものとし,その運営の
ために必要であると議会が判断した場合に限り,条例により,常任委員会,議会運
営委員会及び特別委員会のみを設置することができると規定しているものと解さ
れ,このような憲法ないし法の趣旨からすれば,地方公共団体の議会は,法の規定
している3種の委員会以外の委員会や会議を設置することはできないものというべ
きである。
 すなわち,地方公共団体の議会が法定の委員会以外の会議を設置することができ
るものとすると,当該会議には法の規制が及ばず,法定外の会議において上記の法
の厳格な手続によらないで実質的に審理・議決がされ,それが議会や委員会の審
理・議決と同視されたり,また,それに代替的役割が与えられる危険性が生じかね
ず,ひいては法の規定する議会制度の趣旨が潜脱されるおそれがある。また,法定
外の会議を許すとすると,その範囲が際限なく広がる危険性があるし,合理的な範
囲に限定するとしても,その判断は不明確なものとならざるを得ず,上記の弊害を
防止できないことは明らかであるから,この面からみても法定外の会議を許容する
のは相当ではない。
 したがって,地方公共団体の議会が議会ないし上記委員会の運営を円滑かつ効率
的に行うためとはいえ,上記の委員会以外の会議を正規の会議として設置運営する
ことは,上記の法の趣旨に反し,議会の決議につき厳格な法的手続を定める法を潜
脱するものとして許されないものと解される。
 そうすると,本件協議会等を議会の意思に基づく公式の会議と見ることは相当で
ない。
 そして,法203条3項にいう「職務」や本件条例3条1項にいう「公務」は,
正規の会議に出席する場合等に限られるものであるから,本件協議会等が公的な色
彩を持つものであったとしても,上記のような法の趣旨からすると,あくまで事実
上の集会というほかなく,したがって,これらの会議に出席することも議員の職務
ないし公務ということはできない。
イ 昭和63年判決について
 第1審被告は,昭和63年判決を根拠に,地方議会には法定外の本件協議会等を
開催する権限があり,したがって,本件協議会等に出席することも公務であると主
張している。
 しかし,昭和63年判決は,地方議会の権限は,法令上の根拠がある場合に限定
されるものではなく,その機能を適切に果たすために必要な限度で広範な権能を有
しているとして,合理的な必要性があるときは裁量により議員を海外に派遣するこ
とができるとしたもので,いわば議会の権能について判断したものであり,上記の
とおり,法により定められている地方公共団体の意思決定方法に直接関係する議
会・委員会等の地方公共団体の組織・運営に関して判断したものではないから,昭
和63年判決が議会により法定外の会議を設けることを容認したものとはいえず,
したがって,上記判断は昭和63年判決に抵触するものではない。
ウ 本件行政実例について
 行政実例とは,都道府県,市町村が法令の解釈,運用について疑義が生じた場合
に,関係の中央各省庁の見解を文書によって求めるのに対し,照会を受けた各省庁
が示した見解であり,行政庁のいわゆる有権解釈ではあるが,一種の行政指導であ
るから,それ自体に特段法的拘束力があるものではなく,当然のことながら,裁判
所が法律等の解釈をするに当たってはこれに拘束されるものでもない。
 したがって,本件行政実例があるからといって,そのことだけで,本件協議会等
の出席に対する費用弁償が違法となるものではないが,上記で判示した法の趣旨か
らみて,本件行政実例の解釈は正当であり,昭和63年判決以後もその存在意義を
有するものというべきである。
 そして,本件行政実例によっても,本件協議会等への企業団議員の出席に対し,
費用弁償を行うことができないことは明らかである。
(2) まとめ
 本件条例3条1項は,法203条5項を受けて制定されたものであるから,本件
条例3条1項にいう「公務」とは,その文言に照らし,法203条3項にいう「職
務」と同義と解するのが相当である(この点については,当事者間に争いがな
い。)。
 そして,本件協議会等は法令上の根拠のない会議であり,これを公式の会議と見
て,これに対する出席を公務ということはできないから,企業団が,本件協議会等
に出席した企業団議員に対し,費用弁償をすることは,額のいかんにかかわらず,
違法であるというべきである。
3 争点(2)(P1及びP2の責任)について
(1) 上記のとおり,本件費用弁償は違法であると認められる。
(2) しかし,公務に対し,1日当たり1万4000円の費用弁償金を支払う制
度は,企業団議会で決議された本件条例3条1項に基づくものであり,P2やP1
は,企業団議会が定めた条例については,誠実に執行しなければならない義務があ
ること,本件条例3条1項の「公務」という用語は解釈が一義的に明確とはいい難
いこと,兵庫県議会では,法的根拠のない各会派代表者会議や政務調査会長会など
についても,1日当たり一律に1万6500円の費用弁償金を支給する制度が設け
られていること,本件行政実例は存在するものの,昭和63年判決の趣旨及び当該
判断を類推し得る範囲も必ずしも明確とはいえず,したがって,第1審被告のよう
な解釈の余地が認められることに照らせば,P2には,本件費用弁償を行ったこと
について,故意又は重過失があったとまでは認めることができず,また,P1に
も,P2の上記行為を阻止しなかったことについて,故意又は過失があったとは認
めることができない。
4 まとめ
(1) 企業団議員に対する不当利得返還請求等
ア 前記2で判断したとおり,本件費用弁償の支給については違法であるから,企
業団議員は,受領した費用弁償金全額について,企業団に対し,不当利得金として
返還すべき義務がある。
イ 遅延損害金の起算点について,第1審原告は,不当利得金に対する平成14年
11月14日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年5分の割合による遅延損
害金の支払を,企業団議員に請求するよう,第1審被告に求めているが,企業団の
企業団議員に対する不当利得返還請求権は,その性質上期限の定めのない債務であ
るから,上記遅延損害金の起算点は,企業団の企業団議員に対する不当利得金返還
請求日の翌日と解するのが相当である(民法412条3項)。
ウ よって,企業団議員に対する不当利得返還請求,及びその遅延損害金請求につ
いては,第1審被告に対し,別紙1の費用弁償一覧表「議員名」欄記載の各人に対
し,同表「議員名」欄記載の各人に対応する「合計」欄記載の各金員及びこれらに
対する各請求日の翌日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払を請
求するよう求める限度で理由があるが,その余は理由がない。
(2) P1に対する賠償請求及びP2に対する賠償命令
ア 前記3で判断したところによれば,P1及びP2には,企業団に対する不法行
為があったと認めることができない。
イ よって,第1審原告が第1審被告に対し,同人らに対する賠償請求又は賠償命
令をするよう求める請求は,理由がない。
5 結論
 以上によれば,第1審原告の請求は,上記4(1)ウ認定の限度で理由があり,
その余は理由がない。
 よって,第1審原告の控訴に基づき,原判決を上記の趣旨に変更し,第1審被告
の控訴を棄却することとし,主文のとおり判決する。
大阪高等裁判所第14民事部
裁判長裁判官 井垣敏生
裁判官 高山浩平
裁判官 神山隆一
(別紙1)
費用弁償一覧表
┌──┬──────┬────────┬────────┬────────
┬────────┬────────┬────────┬────────┬
────────┬────────┬─────────┐
|  |開催日   |H13.7.4 |H13.7.23|H13.8.1 
|H13.8.3 |H14.7.2 |H14.7.4 |H14.7.16|
H14.7.22|H14.7.31|         |
|  ├──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┤         |
|  |支払日   |H13.8.16|H13.8.16|H13.9.17
|H13.9.17|H14.8.16|H14.8.16|H14.8.16|
H14.8.16|H14.8.16|         |
|  ├──────┼────────┴────────┴────────
┴────────┴────────┴────────┴────────┴
────────┴────────┤         |
|  |      |会 議 名                     
                                     
                 |         |
|  |      ├────────┬────────┬────────
┬────────┬────────┬────────┬────────┬
────────┬────────┤         |
|番号|議員名   |神戸市側議員  |尼崎市側議員  |代表者会議   
|全体議員協議  |西宮市側議員  |神戸市側議員  |芦屋市側議員  |
尼崎市側議員  |代表者会議   |合計       |
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
| 1|P3    |  14,000|        |        
|  14,000|        |        |        |
        |        |   28,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
| 2|P4    |  14,000|        |  14,000
|  14,000|        |        |        |
        |        |   42,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
| 3|P5    |        |  14,000|        
|  14,000|        |        |        |
        |        |   28,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
| 4|P6    |        |        |  14,000
|  14,000|        |        |        |
        |        |   28,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
| 5|P7    |  14,000|        |        
|  14,000|        |  14,000|        |
        |        |   42,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
| 6|P8    |        |  14,000|        
|  14,000|        |        |        |
  14,000|        |   42,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
| 7|P9    |  14,000|        |        
|  14,000|        |        |        |
        |        |   28,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
| 8|P10   |  14,000|        |  14,000
|  14,000|        |        |        |
        |        |   42,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
| 9|P11   |  14,000|        |        
|  14,000|        |        |        |
        |        |   28,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
|10|P12   |        |  14,000|  14,000
|  14,000|        |        |        |
        |        |   42,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
|11|P13   |  14,000|        |        
|  14,000|        |  14,000|        |
        |  14,000|   56,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
|12|P14   |  14,000|        |  14,000
|  14,000|        |        |        |
        |        |   42,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
|13|P15   |        |        |        
|  14,000|        |        |        |
        |        |   14,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
|14|P16   |  14,000|        |  14,000
|  14,000|        |        |        |
        |        |   42,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
|15|P17   |        |        |        
|  14,000|        |        |        |
        |        |   14,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
|16|P18   |        |  14,000|        
|  14,000|        |        |        |
        |        |   28,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
|17|P19   |  14,000|        |        
|  14,000|        |        |        |
        |        |   28,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
|18|P20   |  14,000|        |  14,000
|  14,000|        |        |        |
        |        |   42,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
|19|P21   |  14,000|        |        
|  14,000|        |  14,000|        |
        |  14,000|   56,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
|20|P22   |        |  14,000|  14,000
|  14,000|        |        |        |
        |        |   42,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
|21|P23   |        |  14,000|  14,000
|  14,000|        |        |        |
  14,000|  14,000|   70,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
|22|P24   |        |        |        
|  14,000|        |        |        |
        |        |   14,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
|23|P25   |        |        |  14,000
|  14,000|        |        |        |
        |        |   28,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
|24|P26   |        |        |        
|        |        |  14,000|        |
        |  14,000|   28,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
|25|P27   |        |        |        
|        |  14,000|        |        |
        |        |   14,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
|26|P28   |        |        |        
|        |        |  14,000|        |
        |        |   14,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
|27|P29   |        |        |        
|        |        |  14,000|        |
        |        |   14,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
|28|P30   |        |        |        
|        |        |  14,000|        |
        |  14,000|   28,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
|29|P31   |        |        |        
|        |        |  14,000|        |
        |        |   14,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
|30|P32   |        |        |        
|        |        |  14,000|        |
        |        |   14,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
|31|P33   |        |        |        
|        |        |  14,000|        |
        |  14,000|   28,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
|32|P34   |        |        |        
|        |  14,000|        |        |
        |  14,000|   28,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
|33|P35   |        |        |        
|        |        |  14,000|        |
        |        |   14,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
|34|P36   |        |        |        
|        |        |        |        |
  14,000|        |   14,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
|35|P37   |        |        |        
|        |        |  14,000|        |
        |        |   14,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
|36|P38   |        |        |        
|        |        |        |        |
  14,000|        |   14,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
|37|P39   |        |        |        
|        |  14,000|        |        |
        |  14,000|   28,000|
├──┼──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
|38|P40   |        |        |        
|        |        |        |  14,000|
        |  14,000|   28,000|
├──┴──────┼────────┼────────┼────────
┼────────┼────────┼────────┼────────┼
────────┼────────┼─────────┤
|合  計     | 168,000|  84,000| 140,000
| 322,000|  42,000| 168,000|  14,000|
  56,000| 126,000|1,120,000|
└─────────┴────────┴────────┴────────
┴────────┴────────┴────────┴────────┴
────────┴────────┴─────────┘
(別紙3)
1.勧告
 下表に記載している2件の会議の出席者に対し,公務に従事したものとして阪神
水道企業団報酬並びに費用弁償に関する条例(以下「費用弁償条例」という。)の
規定に基づき費用弁償が支給されている。
 この2件の会議は,その協議内容からみて重要な会議であったことは理解できる
ものの,昭和63年3月10日の最高裁判決に照らして判断すると,企業団の議会
の権能を果たすためにこれらを開催する合理的な必要性があったとは認められず,
費用弁償の支給要件に該当しないものと判断される。
 よって,平成14年11月11日までに,これらの会議の出席者に支給した12
6,000円については,返還措置を講ずるよう勧告する。
┌───────────┬─────────┬──────────┬───
────┬───────┐
|開催日        |会議の名称    |支給日       |支給人
数(人)|支給金額(円)|
├───────────┼─────────┼──────────┼───
────┼───────┤
|平成13年12月20日|尼崎市側議員協議会|平成14年1月16日|6  
    | 84,000|
├───────────┼─────────┼──────────┼───
────┼───────┤
|平成14年6月14日 |西宮市側議員協議会|平成14年7月3日 |3  
    | 42,000|
├───────────┴─────────┴──────────┼───
────┼───────┤
|合     計                         |9  
    |126,000|
└────────────────────────────────┴───
────┴───────┘
2.要望
 議員が公務に従事したときは,費用弁償条例第3条の規定により,費用弁償が支
給されてきたところであるが,同条には,「公務に従事したとき」と規定されてい
るが,支給基準については明確に定められていない。今後,支給基準を明確にする
等,費用弁償の支給に関して市民の疑惑を招くことがないよう,早急に所要の措置
を講じられるよう要望する。

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